なぜExcel方眼紙は嫌われるのか? 「Wordより使いやすい」「生産性を下げる」など賛否分かれる

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 5月13日、Twitterで「Excel方眼紙」が大きな反響を集め、トレンド入りしました。

 発端は、あるアカウントから発信された「新人教育の場でExcel方眼紙を教えています」というツイート。現在は削除済みですが、方眼紙にするとインデントが確保しやすいなどの理由から、文書作成ツールとして推薦していました。

 しかし、これに対して多くの人から「やらないで欲しい」「Excelの使い方じゃない」といった批判が相次ぎ、Twitter上でその是非が議論されました。

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「Excel方眼紙」の評価は?

 SNS上での評価は、ポジティブなものが48.5%、ネガティブな評価が51.5%と、ほぼ半々に分かれました。ポジティブな声としては「使いやすい」「便利」など利便性に関するツイートが多く、ネガティブな声としては「ひどい」「嫌い」など感情的なツイートが多く見られました。

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「Excel方眼紙」の盛り上がりは?

 5月13日の13時頃にトレンドがピークを迎え、その後も関連ツイートが多く投稿され、引き続き盛り上がりを見せています。

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Wordの代用として重宝されてきたExcel方眼紙

 Excel方眼紙とは、Excelの各セルが正方形になるように行列幅を揃える手法です。Wordなど文章作成ソフトよりインデントや表作成、画像の配置が柔軟に対応できるため、文章作成ソフトの代用に使われることがあります。

 Twitter上でも「Word扱いづらい私には便利」「Wordで表作成や図挿入が難しいから使われてるんだと思う」「Wordがもう少し使いやすかったら、Excel方眼紙は生まれなかったのでは」といった声が多く聞かれます。

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過去にも何度か賛否が議論される

 一方、Excel方眼紙は過去に何度か「業務効率を落とすため廃止すべき」と批判されてきた経緯もあります。たとえば、2012年の立命館大学・上原哲太郎先生のツイート、2013年の三重大学・奥村晴彦先生のツイート、そして2016年の河野太郎衆議院議員のツイートなどで「生産性を下げている」「データの再利用を考えていない」「至急、全廃します」など問題として提起され、話題となりました。

 今回も「非効率」「生産性を阻む悪行なので止めて欲しい」といった同様の声が多く聞かれました。

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反対派からは「後から編集しにくい」「本来の機能を教える障害になる」などの声

 では、具体的にExcel方眼紙の何が問題なのでしょうか。

 まず、今回の発端となったツイートは「文書作成ツールの代用にExcel方眼紙を使う」という内容でした。しかし、批判の中には「1セルに1文字を入力する原稿用紙的な使い方はダメ」など、議論が噛み合っていないケースも多く見られました(今回の発端のツイートは原稿用紙的な使い方をしていませんでした)。

 そこで本記事では、発端のツイートの内容に沿って「文書作成ツールの代用としてExcel方眼紙を使うことの問題点」に限ります。

 その上で反対派の人たちから多く聞かれた声は、「後から編集しにくい」「データ抽出や計算などの機能が使えない」「本来の機能を教える上で障害になる」「1セル1文字みたいな文化を生み出す」などでした。全体的には、Excel本来の機能が必要ないなら、手間が増えるので他のソフトを使うべき、といった意見が強いようです。

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擁護派からは「使い方次第」「印刷用には便利」などの声

 一方、擁護派の人たちからは「使い方次第」といった声が多く聞かれました。特に「印刷用の書類だと便利」「成果物がPDFなら最良」など、最終的に紙やPDFで出力する書類の作成で重宝している人が多いようです。

 ただ、擁護派でも手放しで利用を推している人は少数です。多くの人が「自分しか編集しない書類なら使っていい」「集計・統計ツールとして使う場合はアウト」など、目的に合っているのか判断すべきとしています。

 両者の意見を踏まえると、Excel方眼紙を使う場合は「他人と共有するツールには向かないのでNG」「最終成果物が紙やPDFの場合に限る」あたりを意識する必要がありそうです。ただ批判が根強いのも事実なので、取り扱いには十分に注意したほうが良いでしょう。

調査概要

調査期間2020年5月13日
調査対象Twitter
調査件数1445 件(10%サンプリング)
調査キーワードExcel方眼紙
調査方法対象期間のTweetを「SocialInsight」によるテキストマイニングにより分析
備考実数に近づけるため件数を100%に補正

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