高カロリー食を食べても「脂肪」になりにくい時間帯とは? 管理栄養士が解説

 管理栄養士の望月理恵子先生が、ジャーナリストの笹井恵里子がパーソナリティを務めるラジオ番組「ドクターズボイス〜根拠ある健康医療情報に迫る!〜」(ニッポン放送・毎週水曜21時~21時20分)にゲスト出演。「食べる時間帯」をテーマに、健康にいい食事のタイミング、朝食や夕食におすすめの食べ物について紹介した。

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 管理栄養士の望月理恵子先生が、ジャーナリストの笹井恵里子がパーソナリティを務めるラジオ番組「ドクターズボイス〜根拠ある健康医療情報に迫る!〜」(ニッポン放送・毎週水曜21時~21時20分)にゲスト出演。「食べる時間帯」をテーマに、健康にいい食事のタイミング、朝食や夕食におすすめの食べ物について紹介した。

 同じ食事内容や量であっても、「食べる時間帯」によって体に悪影響およぼすこともあれば、病気や老化を予防し、栄養素の吸収率を高めることをご存じだろうか。私たちの細胞には「時計遺伝子」が存在し、日中に活動状態となり、夜は自然と眠くなるような一日周期のリズムを司っている。この時計遺伝子が中心となり、昼夜に合わせて体温やホルモン分泌などの変化させる機能を「体内時計」と総称し、この視点から考えた食事法が「時間栄養学」だ。“いつ食べるか”で肥満や病気を予防し、食事の効果を引き出せるという。

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朝は高カロリー食を食べても「脂肪」として体にためこまれにくい

笹井:臓器によって活発に働く時間が異なるのだそうですね?

望月先生:そうです。例えば、肝臓は朝、胃は日中、塩分を処理する腎臓は夜に活発に働きます。そういった体内のリズムに合わせて食事をすると、内臓に負担をかけにくいです。栄養素の吸収や老廃物処理の促進にも役立つと思います。

笹井:3食それぞれ伺いたいのですが、「朝食」はいつ食べるといいのでしょうか?

望月先生:「起きてから1時間以内、遅くとも2時間以内」に食べるのがおすすめです。脂肪の分解に関わる肝臓は朝、活発に働きます。ですから、高カロリー食を食べても脂肪として体にためこまれにくいです。

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朝食のおすすめは「魚」「朝カレー」

笹井:おすすめの朝食はありますか?

望月先生:私は朝カレーを勧めています。

笹井:なぜ朝カレーを?

望月先生:起きている中で一番体温が低いのは起床時、起きたてです。カレーにはスパイスが入っているので、昼にかけて体温が上昇する手助けになるし、野菜や肉も加わってバランスが整います。カレーのように油分があっても、朝は太りにくいんです。

笹井:なるほど。

望月先生:朝、気をつけたいのは「塩分」です。腎臓の働きが活発でないので、干物、漬物、味噌汁などの和食は特に、減塩を心がけるといいでしょう。

笹井:他にも、朝に魚の油をとると良いそうですね。

望月先生:魚は心疾患のリスクを低下させる油「オメガ3」を豊富に含むので、ツナサンドのようにして食べるといいですよ。

笹井:朝は、「脳のエネルギー源となる糖質+体温を上げるタンパク質」を一緒に取ることがポイントで、体内時計を正常に動かします。

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胃は「正午~午後2時」に最も働く

笹井:昼食はいつ食べるといいでしょうか?

望月先生:朝食後の4時間、遅くとも6時間以内がいいです。朝食から3時間後には、体に必要な栄養素の多くが消耗しています。特に脳の栄養源となる糖質や水溶性ビタミンは、体内に2~3時間ほどしかとどまりません。

笹井:2~3時間とは短いですね。お昼はどんなものを食べるといいですか

望月先生:好きなものを、がっつり食べてください。タンパク質を消化する胃は、正午から午後2時に最も働きます。朝食と同様、カロリーが多少高くてもちゃんと消化をしてくれます。

笹井:ある程度食べても大丈夫なのですね。

望月先生:夕方に体の代謝が高まるので、その時のエネルギー源としてもタンパク質をしっかりとっておきましょう。

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納豆を食べるなら「夜」がおすすめ

画像:PIXTA

望月先生:夜は、なるべく21時前に済ませたいです。胃がお休みモードなので、消化の良いものを、できるだけ少なめに食べてください。

ただ、夜は腎臓の働きが活発になって塩分排出しやすいので、お醤油をつけて食べる刺身もいいです。

笹井:他にも、夕食にいい食べ物はありますか?

望月先生:納豆も血液をサラサラにする効果があり、夕食に食べることで翌朝の血栓予防が期待できます。納豆の血栓予防の働きはだいたい食後4時間後に効果を発揮し始め、8時間ほど効果が持続します。血栓は朝方にできやすいので、納豆は夜に食べるのがおすすめです。

笹井:夕食を抜くというのはどうでしょうか?

望月先生:空腹すぎると睡眠の質が落ちたり、朝食との時間が空きすぎて、朝食で血糖値が急激に上がり過ぎたりします。

笹井:夕食を抜くとだいぶ時間が空きますからね。

望月先生:疲れた脳や筋肉修復のためにも、夕食を取る方がおすすめです。

また、実はジャンクフード好きだという望月先生。精神的、物理的なストレスは体内時計を大きく乱してしまうとし、「健康のためと言って好きなものを我慢する、嫌いなものを無理して食べることは、ストレスになってしまいます。楽しく食べるということは大切にしてほしいです」と、最後にアドバイスした。

 この他にも番組では、朝食をとるメリット、体内時計が乱れやすい生活、「おやつ」や「お酒」に適した時間についても解説した。

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番組情報

ドクターズボイス
毎週水曜日 21:00〜21:20番組HP
「週刊文春 老けない最強食」の著者・笹井恵里子がパーソナリティを務める番組「徳洲会グループpresents ドクターズボイス〜根拠ある健康医療情報に迫る!〜」
この番組は「生命(いのち)だけは平等だ」の理念のもと全国70以上の医療機関を有する徳洲会グループのサポートでお送りします。
毎週ホットなテーマを設け、各専門分野のドクターをゲストに迎えて、そのメカニズムや対処法を分かりやすく伝えていきます。
番組では、感想や取り上げて欲しいテーマなどお待ちしております。

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

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