6月の急上昇アプリを調査! スポーツライブ再開でDAZNなど急上昇! 1位はロイヤルホスト……なぜ?

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 市場分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使うと、どんな人がどんなアプリを使っているのか、主にユーザー数の推移といった切り口から調べることができます。

 今回はeMark+を使ってアクティブユーザー数の前月比が急上昇したアプリをチェック。6月のトレンドを調査しました。

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6月の急上昇アプリランキングを調査

 まず、アクティブユーザー数の前月比が高い順にアプリをランキングしました。以下のトップ10をご覧ください。

2020年6月の急上昇アプリランキング(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

 それでは早速、ランキングの1位から3位までを詳しく見ていきましょう。

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4月リリースのロイホアプリが急上昇1位

1位:ロイヤルホスト

 1位はファミリーレストランの「ロイヤルホスト」の公式アプリでした。アプリの概要を以下にまとめます。

 運営:ロイヤルホスト株式会社
 特徴:ロイヤルホストの最新情報&お得な情報を見れる
 リリース:2020年4月

 では次に、このアプリのユーザー数の推移を見ていきましょう。

「ロイヤルホスト」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

 ロイヤルホストのユーザー数は約29万人、前月比は+約3589.9%。この6月にユーザー数を大きく伸ばしたことが分かりました。

 4月にリリースされたロイホアプリのメリットはどんな点なのでしょうか? まず、登録すると誕生月に飲食代が20%割引に。またアプリ上では定期的なクーポン配信も行われます。

 これらはメルマガ会員と同様の特典ですが、さらにアプリでは楽天ポイントを貯めることができます。このような点で従来のメルマガ会員よりもインセンティブが高く、ユーザーの使い勝手も向上したと言えそうです。

 6月以降は多くの飲食店も通常営業を再開し、店舗の利用者も戻りつつある状況。仮説ですが、リアル店舗でのアプリ露出も増え、キャンペーンのインセンティブによりアプリ登録する人が増えた可能性が考えられます。

2位:FaceApp

 2位にランクインしたのは、写真加工アプリ「FaceApp」でした。このアプリはAIを用いてスマホ上で写真を加工し、性別を変えたり老化させたり若返らせたりできます。概要は以下の通りです。

 運営:FaceApp Inc
 特徴:写真の人物をAIによって加工できる

 では次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「FaceApp」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

 FaceAppのユーザー数は約164万人、前月比+約1928%となっています。こちらのアプリも6月に大きくユーザー数を伸ばしています。

 FaceAppはこれまでも度々インターネット上で話題になっていましたが、6月に入ってから「自分を性転換できるアプリ」としてSNS上で再び人気を呼びました。実際に、TwitterやInstagram上で著名人も実際に自分を異性化した写真を公開するなどして、ユーザーの間で利用が広がっていきました。

 西川貴教さんや岸田メルさんなどの芸能人がツイートし、多くのいいね・RTがされています。このようにSNS上でバズったことがアプリの急上昇につながったのでしょう。

3位:マイナポイント

 3位はマイナポイントの予約・申込を行うことができる「マイナポイント」でした。アプリの概要を以下にまとめます。

 運営:総務省自治行政局地域情報政策室
 特徴:マイナポイントの予約・申込

 では次に、このアプリのユーザー数の推移を見ていきましょう。

「マイナポイント」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

 マイナポイントのユーザー数は約302万人、前月比+約132.7%でした。先月から急速にユーザー数を伸ばしています。

 そもそもマイナポイントとは、マイナンバーとポイントを引き合わせた、国が実施する消費活性化策のひとつで、チャージやキャッシュレス決済をした際にポイントが還元されます。

 6月で消費増税対策としてのキャッシュレス決済ポイント還元が終わりました。一方で、9月からは利用額の25%が付与されるマイナポイントのポイント還元キャンペーンが始まります。

 25%還元という破格の数字は消費者にとっては魅力的でしょう。ただ、このサービスを利用するにはアプリをインストールする必要があり、インセンティブを得るためにアプリユーザー数が増加したと考えられます。

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スポーツアプリが続々ランクイン

 今月の上位にはスポーツ関連のアプリが複数ランクインしていました。早速見ていきましょう。

6位:DAZN

 6位にはスポーツのライブ中継&見逃し配信できる動画配信アプリ「DAZN」がランクインしていました。アプリの概要は以下の通りです。

 運営:DAZN
 特徴:スポーツ専門の定額制動画配信サービス

 ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「DAZN」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

 DAZNのユーザー数は約98万人、前月比+約98.3 %でした。3月以降にユーザー数は減少傾向にありましたが、6月に回復したことがわかります。

 4月や5月は新型コロナウイルスの影響で試合が自粛されていましたが、6月以降はプロ野球・Jリーグなどが無観客試合を再開。プロスポーツを待ちわびていたスポーツラバーたちがDAZNアプリに戻ってきたと考えられます。

 また、DAZNではJリーグ開幕直前にバーチャルチケットを配布するなど新たな観戦スタイルを模索しており、その結果、新規ユーザーの獲得につながった可能性もあるでしょう。

9位:スポナビ 野球速報

 9位は野球速報アプリ「スポナビ 野球速報」でした。アプリの概要は以下の通りです。

 運営:Yahoo Japan Corp.
 特徴:一球ごとの打席結果が実際の試合からほぼリアルタイムで速報される

 ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「スポナビ 野球速報」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

 スポナビのユーザー数は約347万人、前月比+約79%でした。こちらも3月以降MAUが減少傾向にありましたが、6月に回復しました。4月や5月は新型コロナウイルスの影響でプロ野球の試合が自粛となり、利用者も比較的少なかったと推測できます。

 プロ野球は6月19日に無観客でセ・パ両リーグ同時に開幕しました。試合経過や結果をチェックするため、プロ野球ファンがアプリ利用をしている様子が想像できます。

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その他上位にランクインした注目アプリ

4位:Pokémon HOME

 そのほか6月の急上昇スコアで上位にランクインしたアプリをピックアップします。

 まず、4位にはNintendo が提供するクラウドサービス「Pokémon HOME」の公式アプリがありました。このアプリでは、最近のポケモンシリーズで仲間にしたポケモンたちを、クラウド上のボックスに預けたり、各連携ソフトへ連れていくことが可能となります。アプリの概要は以下の通りです。

 運営:The Pokemon Company
 特徴:世界中の人々とのポケモン交換を楽しめる
 リリース:2020年2月

 では次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「Pokémon HOME」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

 Pokémon HOMEのユーザー数は約47万人、前月比+約130%でした。

 6月2日以降にスマートフォンアプリのPokémon HOME上でポケモンの預け入れを行うことで、隠れ特性を持つポケモンを受け取れると告知されました。希少性の高い限定のポケモンを入手したいユーザーがアプリを利用し、急上昇につながったと考えられます。根強いファンを基盤に集客に成功したといえるでしょう。

7位:Relux(リラックス)ホテル・旅館の宿泊予約アプリ

 7位は、ホテル・旅館の検索や宿泊予約ができる「Relux」の公式アプリでした。アプリの概要は以下の通りです。

 運営:Loco Partners Inc.
 特徴:満足度の高い宿泊施設の宿泊予約ができる
 リリース:2014年5月

 では次に、ユーザー数の推移を見ていきましょう。

「Relux」のユーザー数推移(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

 Reluxのユーザー数は約40万人、前月比+約88%でした。ユーザー数が3月以降に大幅に落ち込みましたが、6月に回復したとわかります。

 5月末にGoToキャンペーンの詳細が告知され、6月19日から県をまたぐ観光振興が徐々に始まりました。日本全体で旅行ムードが高まった結果、ユーザー数の回復につながったと推測できます。

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まとめ

 最後に6月の急上昇アプリと、アクティブユーザー増加の背景をまとめてみます。

 今回取り上げたアプリのうちプロモ施策が効いていたと考えられるのは、1位のロイヤルホストや3位のマイナポイント、4位のPokémon HOMEと言えるでしょう。それぞれポイントによるインセンティブやレアポケモン配布などの施策を通じ、ユーザー獲得に成功していました。

 一方、世の中のトレンドが反映されていたのがスポーツ系アプリと旅行系アプリです。6位にランクインしたDAZNや9位のスポナビは、6月以降に相次いで無観客試合が開催されたことでユーザー数が回復したと考えられます。また、7位のReluxはGoToキャンペーンや外出自粛の緩和による、旅行ムードの高まりが効いていました。こうした自粛緩和という社会的要因がアプリのユーザー数回復に貢献したと言えるでしょう。

 急上昇スコアでのアプリ・サイト分析によって、現在の国内トレンドの一端を把握することができるでしょう。本稿では月間のデータを用いていますが、マナミナでは週次の検索キーワードデータのレポートや、分析記事も公開しています。気になる方はぜひご覧ください。

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