「悪魔の頭脳」「57は素数」 クセが強すぎる「天才数学者」ランキング!

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 「数学者」にどのようなイメージを持っていますか? すごい? 天才? 奇人変人? 純粋で数学一筋な彼ら/彼女らは、数学以外にも強い個性を持っていたり、とても面白い人生を送っていたりします。

 そこで今回は、天才で面白いエピソードを持つ数学者を関連書籍とともに筆者独自の目線でランキングにしました。さらに、ランキングから上位3人を厳選して詳しく紹介します。

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第3位:ジョン・フォン・ノイマン

出典:LANLWikipedia

 「宇宙人はすでに地球に来ている。ハンガリー人だよ」というジョークがあるくらい、ハンガリー出身の天才は多く知られています。その中でも最も有名なのが、“悪魔の頭脳”と称されたジョン・フォン・ノイマンでしょう。

 原子や電子などのミクロな領域を記述する量子力学の数学的基礎の構築、人間の行動を数学的に取り扱う「ゲーム理論」の提唱、さらに現在のコンピュータの原型の製作など、その功績は数知れず。「7つの言語を扱えた」「自分が開発したコンピュータでの計算よりも、ノイマンの暗算の方が早いと言われていた」など、天才的な(そして変人的な)逸話にも事欠きません

 『フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔』(講談社)を読んで、そんな天才の人生や考え方に触れてみてはいかがでしょうか。自分も天才になったような気分に……いや、違いを突きつけられるだけかもしれませんね。

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フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔 (講談社現代新書)

高橋昌一郎
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第2位:アレクサンドル・グロタンディーク

出典:Konrad Jacobs, Erlangen, Copyright by MFO – Wikipedia

 素数の例を挙げるときに「57」を選んでしまい、いまだに数学ジョークにされ続けているアレクサンドル・グロタンディーク(参考:グロタンディーク素数)。それは数学を抽象的に捉えることを独自の視点でつきつめた天才だからこその逸話でしょう。とある具体的な数字が素数なのかそうでないのかは、天才にはきっと関係ないのです。

 代数幾何を根本から書き換えるなど、現代数学で使われる基礎的な手法を作り上げたことで知られています。有名な『代数幾何原論』はインターネット上でも読むことができます。ただしフランス語ですし、そもそも“数学語”で書かれていますが……。

 勤めていた研究所が軍からの資金援助を受けていたことを知り、即座に辞職して数学の表舞台から姿を消しました。そんなグロタンディークの子どもの頃の話や同僚との確執などが長々と綴られている一冊が『数学者の孤独な冒険』(現代数学社)です。

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数学者の孤独な冒険―数学と自己発見への旅

アレクサンドル グロタンディーク
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第1位:グレゴリー・ペレルマン

出典:George Bergman – Mathematisches Institut Oberwolfach (MFO) – Wikipedia

 クレイ研究所がその証明に100万ドル(約1億円)の賞金をかけたことでも知られる「ポアンカレ予想」。それを見事に証明したのが、グレゴリー・ペレルマンです。

 ロシア出身で、幼い頃から数学の英才教育を受け、国際数学オリンピックにも出場。そんな彼が突然サーストンの幾何化予想と呼ばれるものを証明し、その帰結としてポアンカレ予想を証明した時には各所に衝撃が走りました。

 ポアンカレ予想は従来、「ドーナツとコーヒーカップが等しい」などを扱うトポロジーと呼ばれる数学で証明が試みられていました。しかし、ペレルマンは微分幾何などを使った全く別のアプローチで証明しました。最初はその証明を理解できる人は少なかったとのことです。

 ポアンカレ予想の業績により、数学界のノーベル賞と言われるフィールズ賞にも選ばれたペレルマン。しかし、クレイ研究所の賞金と一緒に、フィールズ賞も辞退したとのこと。1億円がもったいない……数学者の考えることは理解しづらいですね。

 彼の人生について知りたい方にオススメの一冊が『NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか』です。彼がどんな人物なのかを、ポアンカレ予想とは何かも含めて一緒に理解できます。

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春日 真人
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