相次ぐイベント中止、運営側には死活問題に　「生活がかかってる」「通勤は続けているのになぜ？」の声

　新型コロナウイルスの影響により、スポーツ・アーティストなど多くのイベントが中止となり、話題を呼んでいます。3月11日には、無観客での開催を検討していた選抜高等学校野球大会の中止も決定しました。このように、「中止」というワードは「新型コロナウイルス」や「休校」に並ぶほどの話題となっています。

　そこで、ねとらぼ調査隊では「中止」というワードをAIで分析し、どのような論調が多いのかを調べてみました。

「中止」のトレンド件数「休校」より多数

　SNS分析ツールによって2月12日から3月11日までの「新型コロナウイルス」「新型コロナ」「中止」「休校」のトレンド件数を調べてみた結果、以下の結果となりました。

　なんと、「中止」のトレンド件数は、「新型コロナ」の229万2547件に次いで、151万9122件となり、135万1805件であった「新型コロナウイルス」や86万4325件だった「休校」よりも多いことが判明しました。

　ネット上では、「中止」に関する言及が「休校」の話題よりも多いという結果でした。

「中止」が話題になっている媒体は？

　続いて、「中止」についての言及がどこで行われているのかを調べてみたところ、大半がTwitterとなり、次いでブログ、掲示板という結果に。

　詳細を見てみると、Twitter・ブログともに2月27日に最も多く「中止」に関する言及がありました。前日の26日は、政府が「大規模イベントの中止または延期」を要請。要請を受けて、26日に公演を予定していたPerfumeとEXILEが急きょ当日に中止を発表し、話題を呼びました。

中止と一緒に言及されているツイートは？

　頻出関連語（ワードクラウド）を見てみると、「中止」を中心に「イベント」「感染拡大」「自粛」「東京五輪」などの言葉が多く使用されているようです。

　中でも、形容詞でよく使われていた単語を見てみると、「悔しい」が1番多く、「やむを得ない」「余儀ない」「やるせない」「心苦しい」の4単語が同率となりました。出演者や主催者、観客など多くの人が「悔しい」という言葉を使っていたことがわかりました。

　大規模なイベントとなると、1年以上前から企画が行われ、準備されていることが多いので、「悔しい」という感情は当然のものであると思います。

「通勤や仕事をやめないのにイベントだけやめることに何の意味があるのか」疑問の声

　ネット上では、「イベントを中止にして、通勤は続けるのか」といった声に多くの支持が集まっています。

　中には、「『生活に必須ではないスポーツやコンサートは中止でも仕方ない』というが、これが『仕事』で、これが『生活』だ」や「いや、アーティストやそのスタッフも生活かかってるよ？」といった声が多くの共感を得ています。

　アメリカの大規模イベント「SXSW（サウス・バイ・サウス・ウエスト）」への出演や、アメリカツアーを開催する予定だったロックバンド「打首獄門同好会」も、「本当に大変なのはイベントなどで日々働いている人たち」とイベンターへの配慮を言及していました。その後、3月7日にSXSWが新型コロナウイルスの影響による中止を発表し、「ちくしょう」とツイートしています。

政府は休校措置などに伴う休暇に助成金

　3月10日、政府は「小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金」に、一部フリーランスにも適応する方針を決めました。

　これまでは正規・非正規を問わず雇用されている人向けに1日1人当たり8330円の給付が決められていましたが、3月10日、新たに一部フリーランスにも適応されることになりました。対象となるのは業務委託契約などを結んでいるフリーランスで、1日1人当たり一律で4100円を給付します。

　しかし、適応されるのは「小学校等の臨時休業に伴う保護者」であり、執筆現在では大規模イベントなどの中止には適応されないようです。ネット上では「休校によって仕事ができなくなった保護者だけ」とエンターテインメント面での補償がされていない、という声や「正規・非正規問わず8330円なのに、フリーランスは馬鹿にされている」という声が目立ちました。

　一方で、「フリーランス保護者って、そういうリスクも含めてフリーなんじゃないのか？　国が今やるべきことなのか？」と給付金額に差に疑問を持つ声に反論する人や「フリーランスなのにもらえるだけありがたい」といった声も。

　それでは、「中止」について最も多く言及されていたTwitterで、特に多くの支持を集めていたツイートのランキングを紹介します。